今日も空は青いですね(誰)
そうそう、ゆーくさんのお返事に安心してうたた寝していましたら、夢を見てしまいました!
全然扉絵とは関係ないのですが(残念…)、部分的にしか覚えてなかったのでだいぶ脚色してますけど、お約束通り投稿させていただきました!
***
ある日の昼下がり。
カウンターの指定席で、ルーシィはギルドの喧騒を他所にミラの新作デザートをひとり堪能していた。
「ほんと懲りないですよね、ナツ達」
「ちっちゃい時からこんなだったわよ?」
「でもせっかくのミラさんのデザートが台無しですよー」
と言いながらも、美味しそうにケーキを頬張るルーシィ。
「ふふ、ルーシィがそんな風に食べてくれると、私も作り甲斐があるわ」
「えへへ…っていうか凄く美味しいですこれ、このクリームとかどうやって作るんですか?」
これはね……わぁ、なるほど……と、ミラとルーシィの会話は一向に途切れない。
ルーシィにちょっかいかけようって時にグレイに喧嘩を売られ、性格上買わずにいられない質のナツは結局いつものように騒ぐ羽目になっていた。
喧嘩を終わらせて早く話しかけたいが、ミラの話はまだ終わらないし、グレイはこっちの気も知らないでますます吹っ掛けてくる。
………面白くねぇ。
ルーシィと話したい。自分に向けられた声を聞きたい。
「……だーーーっ!マジつまんねぇ!」
「急に何言ってんだクソ炎、ついに脳ミソも灰になっちまったのか?可哀想になぁ」
「ああ?やんのか?クソ氷」
「上等じゃねーか、ツリ目野郎」
「………………………やっぱやーめた」
「は!?」
また今度な~、と手をヒラヒラさせて氷野郎のもとを去る。
その瞬間、すかさずジュビアがグレイに駆け寄るところが見えたが、そんなことはどうでもいい。
「ルーシィ、そのケーキ俺にも一口くれ」
いつの間に来たのか、ナツが最高に不機嫌な顔を下げて隣の席にどかりと座ってきた。
ルーシィは一瞬固まったが、すぐに冷静さを取り戻し、淡々と答える。
「嫌」
「なんでだよ」
「最後の一切れなんだもの。早く来なかったあんたが悪い」
「ケチ臭ぇ奴だな、そんなに食ったら太るぞ」
「太りませ~ん」
「うわ、憎たらし」
「何とでも言いなさい。これは絶対に譲れな……ってナツ!?だめ!!」
「へっへーん」
隙をついて彼女の手元から食べかけの皿を奪うと、にやり、と不敵に笑うナツ。
ルーシィは取り返そうと必死に手を伸ばすが、悉くかわされた。
「ほれほれ~」
「ちょっと返しなさいよ!あたしのケーキ!」
「おーにさーんこっちら~」
「誰が鬼ですって!?」
「………二人とも、あんまりバタバタすると危ない…って聞いてないわね」
落としても知らないわよ、と言った矢先、予言通りにケーキは皿から落ちた。
クリームがナツの上着にべっとりついている。
「「あーーーーーーーー!!?」」
予想通りの展開ね……とミラが独り言つが、目の前の二人にはまたしても聞こえなかったようだ。
「何してんのよナツ!せっかくミラさんのケーキ楽しんでたのに!最っ低!」
「ルーシィが暴れるからだろ!?」
「ナツが横取りしようとしたからじゃない!」
「そもそもルーシィが一口くれねぇのが悪いんじゃねーか!!」
「あげられるわけないでしょ!!?」
「……ルーシィ、また作ってあげるから。ナツも、欲しいならもっと早く言ってちょうだい?取って置いてあげるから」
「ミラさん…………」
「……………わりぃ、ミラ。……ルーシィも」
まぁ、ナツが欲しかったのはケーキじゃないんでしょうけどね?
ナツがケーキを欲しがった本当の理由をミラは解っていたが、言ってしまうと面白くないので言わないことにする。
「………ナツ、」
「なんだよルーシィ、謝っただろ?」
「そうじゃなくて、ほら」
落ちたケーキを拾い床を拭いた後、そう言って手を差し出してきたルーシィ。
ナツは、ああ、とその手を握った。
「ちょ、なな何してんのよ!?」
「何って、仲直りの握手したかったんじゃねぇの?」
「違う!上着の汚れを取るから貸してって言ってんのよ」
ほんと世話が焼けるんだから、とルーシィはナツの上着を半ば無理矢理脱がせると、ミラに濡れ布巾を借りて丁寧にクリームを取っていった。
「はい、一応取ったけどちゃんと洗濯しなさいよ?」
「おう。ありがとな、ルーシィ!」
そんじゃ、と笑顔で手を差し出すナツ。
意味を解せずルーシィが首を傾げていると。
「ほら、今度は仲直りの握手だ」
「え、あ、ちょ、」
なかなか手を出せずにいると、強引に手をとられ、握手というよりただ手を丸め込まれたような形になってしまった。
「よし、これで仲直りだな、ルーシィ」
「…………ナツ」
「ん?」
「………………いつまで握ってるの?」
「え、さっきも思ったけどやっぱ気持ちいいなと思って、ルーシィの手。ほんとちっせーよなぁ、ってか爪長ぇ。危ねぇから切っ!? ってぇ!!」
パンプスの尖った爪先が向こう脛にヒットして、ナツは足を抱えた。涙目で訴える。
「何すんだよ!いってーな」
「ああああんたがいつまでも手を離さないからでしょ!?」
「爪が長ぇのが悪いんだろ!?」
「これはお洒落なの!気になるなら触んなきゃいいじゃない!」
「だって気持ちよかったんだから仕方ねぇじゃねーか!」
「だからって遊ばないでよ!」
……はぁー、結局こうなるのよね。
まぁ、仲が良いのは良いことだけど。
怒っているにしては少し紅すぎるルーシィの頬に、ミラはこっそり目を細めた。
仲直りしよう
「ルーシィ、もっかい仲直りの握手しようぜ」
「嫌よ!他のやり方にして!」
それからしばらく、ルーシィは毎日のように“仲直り”を迫られたのだった。
<了>
これ、夢に見る数日前に似たようなことがあって
弟が母に『はい』って手を差し出されたときに、母は鍵を貰うつもりだったんですけど、弟は何を思ったのか握手しちゃったんですよね(笑)
それが何故かナツルーで夢に出てきました。私の脳内どーなってんだ…。そしてハッピーはどこへ(焦)まぁどうせシャルルのところかな…(あ、逃げた)
歌詞以外は初挑戦…どうなんだろう、この微妙な感じ(沈)
まだまだ修行が足りませんね、反省!
次は「歌詞から~」を投稿させていただく予定です…いつになるだろう…(遠い目)
ここまでお読み下さってありがとうございました!
仲直りしよう(ナツルー)
- みやこ
- 2011/02/13 (Sun) 15:30:36