歌詞から妄想2番 その1(ナツルー)
やっと出来ました…!やらかした感が否めません……
もしよろしければ読んでやってください。


***


最っ低……何なのよ、もう…

ハートフィリア邸の真っ暗な部屋の中、ルーシィは隅に小さく踞っていた。
ギルドから帰る途中で突然薬を嗅がされ、目が覚めたらここ――昔、叱られたあと決まって閉じ込められた部屋にいた。
無駄に広いこの部屋に窓はなく、扉は施錠されていた。
門の鍵と鞭はどうやら取り上げられたらしい。
今やルーシィは完全に‘独り’だった。

アクエリアスがまた怒るだろうな……皆ごめんね、こんな所有者で…

無機質な空間が醸す独特な闇に、ルーシィは今にも押し潰されそうだった。
そうなるまいと、自身を支える様にぎゅっと抱き締める。

やっと居場所を見つけたのに。
どうしたら、あなたから離れられるの?
どうして、許してくれないの?
……お願い、誰か、助けて…


――……………シィ


闇の中から、声が聞こえる。
耳をすますと、もう一度。


――……ルーシィ


………この声は、

声のする方を向くと、目一杯差しのべられた、あの逞しい両手が見えた。

……やっぱりナツだ!

必死でそれに手を伸ばす。

あとちょっと……ナツ…――





「ルーシィ!」


声に弾かれ目を開けると、馴染みの少年が不安げにこちらを見つめていた。


「……な、ナツ?」
「お、目ぇ覚めたか?」
「いつの間に……また不法侵入?」


いつになくキレのない彼女の決まり文句に怪訝な顔をしたナツは、溜め息を一つ吐いた。


「今回は違ぇぞ。ルーシィが呼んだんだかんな」
「え?あたし呼んでなんか、」
「呼んだじゃねーか、『助けて』って。」
「へ?」


まさか。だって、あれは夢の中の話で。
実際に声に出してなんか……いや、寝言ならあり得る?
ぐるぐる考えていると、ナツが続けた。


「心配で来てみたら、すげぇうなされてたから起こしたんだ。どした?怖ぇ夢でも見たのか?」


ん?とこちらを伺う瞳は透き通っていて、本当に心配していたことを伝えている。
正直、ナツが起こしてくれて助かった。
あのまま続きを見ていたら……
ルーシィは手の震えに気付き、少年に気付かれぬ様それを背中へ回した。
ぎこちなく笑うと精一杯の虚勢を張る。


「ありがと、ナツ。今回は許したげる」
「おう、って許すも何も俺は悪くねぇ」
「あはは……あーあ、すっかり目が醒めちゃった。本の続きでも読もうかしら」


んー、と伸びをするルーシィ。
その横で俯いていたナツはふと顔をあげると、徐に口を開いた。


「……ルーシィ、行くぞ」
「あんた少しは話の脈絡を考えなさいよ」
「あ、寒いから何か着てけよ?」
「全然話聞いてないし……っていうかその台詞説得力全然ないんだけど」
「ほら早く行くぞ」
「ちょ、ちょっと、ナツ!」


突然手をとられたため、近くにあった上着を適当に掴むと、半ば引きずられて家を出た。


<続>


長すぎたので、分けます…すみません!
  • みやこ
  • 2011/02/08 (Tue) 15:41:21
投稿ありがとうございます^^
続きupお待ちしてましたよ――!
てか、せせ拙作ナツルーがきっかけってマジですか!? ふわわ光栄ですっ。

ルーシィの明るさは孤独な時間が長かったのの裏返しのように感じられるので、
時々夢とかで過去を思い出してそうだと思います。超共感っ。

てか呼ばれた気がしてわざわざ様子見に来てくれるナツ!
ああ愛があるなぁって、もうもうvv

続きも読ませていただきますね!
  • ゆーく@管理人
  • 2011/02/08 (Tue) 21:17:53

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