ルーシィはその日、いつかのように何者かの視線を感じていた。
(何だろう、気持ち悪い)
こんなことを言葉に出して言うと、いつものように『自意識過剰』だとか『自信過剰』だとか失礼極まりないことをいう桜頭と青い猫は今はいない。
そのことを少し心細く感じる。
(何でこんな時にいないのよ・・・)
最近、ナツがルーシィの傍にこなくなった。いつも鬱陶しくなるくらい、一緒にいたというのに。最初のうちは『静かでいいわね』などと余裕を見せていたルーシィも徐々に不安になっていた。ナツは自分を嫌いになったのだろうか。思い当たる心当たりはないが、こうも一緒にいない日が続くとそう思えてくる。
ちなみに今は夜。ルーシィはギルドからの帰り道。周りに人気はない。ルーシィは不安に駆られてダッシュで走り出した。
(やだ。追いかけてくる)
さらにスピードを上げなんとかアパート前までたどり着いた。そこで肩を掴まれる。
「きゃああああああ!」
「って、ルーシィ。俺だって」
「きゃああ・・・・って、ナツ!」
肩を掴んだのはナツだった。
「・・・・・もしかして、今までつけてきたのも」
「俺だぞ。ん、ルーシィ、どうしたんだ?」
ルーシィは無言でナツに回し蹴りを放った。
「で、どういうこと?」
椅子に座り足を組み、腕組みをしながら問いかけるルーシィの前には、頭にたんこぶを作りながら正座するナツ。
「うん、俺。ミラから変身魔法を教わってたんだ」
「それで」
「ミラから変身魔法を会得するには、その人の全てを知らないといけないって言われて」
「それで、つけたってこと?でも、ちょっと待って。それなら、私の傍に来ないといけないじゃない。なのにどうして避けるのよ?」
「俺の傍にいるルーシィは大体わかってるから、俺といないときのルーシィの姿を見ようと思って、影から見てたんだ」
「・・・・・ここ最近、ずっと?」
「ああ」
自信まんまんに言うナツにため息をつく。
「あんた、それ一歩間違えばストーカーよ」
「え!?何でだ?」
本当にわかってない表情でいうナツにルーシィは言う。
「いい。これからは影でこそこそ見るなんてやめて、ちゃんと姿を見せなさい。いいわね」
「わかった。そうする」
「うん。それでいいわ」
満足げに息を吐くルーシィにナツが言う。
「今度からは堂々と姿を見せながら跡をつければいいんだな!」
「・・・・・は?」
「よし!わかった、今度からそうするよ。じゃあな、ルーシィ!」
やはり、全然わかってなかったナツは、そうして嵐のように去って行った。
END
ナツルー難しいよ~。私の力量では書ききれない。みんなすごく素敵なナツルー書いてて羨ましいです。
この話はかおりさんにサイト開設おめでとうという意味で捧げたつもりだったのですが、駄文すぎてどうしよう(汗)
というか、ゆーくさんのサイトでやりたい放題してしまってすみません。
今、アップしてる小説にコメント返すのもっと後になりそうです(汗)
変身魔法の極意 ナツルー
- 理乃
- 2011/02/07 (Mon) 14:50:21